支部活動の報告(東海)
【2025年度】
・2025年7月26日(土) 支部総会、講演会、研究交流懇親会
会場:愛知工業大学 2号館地下1階プレゼンテーションルーム
日程:15時- 支部総会
16時- 講演会「建築≒インテリア」
講師:菅井 啓太 氏(坂茂建築設計)
18時- 研究交流懇親会 会場:鉢屋 藤が丘店、会費:6,000円
今年度の支部総会を上記日程で予定通り開催しました。中井支部長の挨拶から開始され、昨年度の事業報告、会計報告、今年度の事業計画・収支予算、混乱もなくスムーズに承認されました。今後とも、東海支部をよろしくお願いいたします。
総会後、支部講演会を開催しました。今年度は、坂茂建築設計の菅井啓太氏を講師に迎え、「建築≒インテリア」と題してご講演いただきました。
昨年度の支部見学会では下瀬美術館(2023年、坂茂建築設計)を見学し、さらに豊田市博物館(2024年、坂茂建築設計)は講演会場の近くということで、支部会員注目の講演会となりました。また、話題性の高い建築を数多く手掛ける設計事務所のお話が聞けるということで、多くの学生さんも参加してくれました。
講師の菅井さんは6つの作品を取り上げ、順に建築概要や設計コンセプトから、それぞれの建築設計の詳細な過程、各事例におけるクライアントや所長の坂茂氏の考え方、各作品でのインテリアの捉え方など、とても興味深い内容をとても分かりやすくお話されました。6つの事例は、今井篤記念体育館(2002年)、大分県立美術館(2014年)、タマディック名古屋ビル(2021年)、ショウナイホテル スイデンテラス(2018年)、豊田市博物館(2024年)、SHIMOSE(2023年)で、訪れたことがある作品では「なるほどそういう背景であの空間が創られたのか」「以前の作品とその様に関連していたんだ」とか、訪れたことがない作品については「ぜひ、そのディテールを確かめに行きたい」などと興味深く聞き入りました。
クライアントと打ち合わせを重ね、木材や紙管といった使用材料を検討するだけでなく、時には使用用途の変更や追加などの提案を行い、常に新たな課題に取り組む姿勢、とてもチャレンジングで、クリエイティブな事務所の姿勢とそれに期待して依頼してくる新しい建築・インテリアに貪欲なクライアントの存在、それらの仕事を構造設計者や施工者、職人らと協同して実現可能にしている優秀な所員の方々の存在、今回の講演会を通じて、魅力的な作品を創り出している坂茂建築設計の秘訣の一端を理解することができた気がします。
本学会向けにインテリアに関しても焦点を当て、構造体がインテリアに出てくる事例や、専用の家具を設計した事例などについてもお話いただきました。奇抜で斬新なアイディアに見えても、その背景には必ず理由があり、規則を決めてシステマティックで合理的な結果である点、新素材・新構造システムの採用に満足せずプロポーションまでこだわった意匠となっている点、これらすべてに全力で取り組んでいるからこそ、ある事例の敷地選定で困難に直面した時、坂氏が「せっかく設計したものを諦めたくない」と言われたとのアツいエピソードにも説得力が感じられました。
支部会員の実務者にも、学生さんにも、参加した全員にとって非常に有意義で刺激的な講演会でした。講演後の質疑応答もとても活発で大いに盛り上がり終演となりました。(文責:清水)
講演会後には恒例の研究交流懇親会を開催しました。今年は、藤が丘駅近くの居酒屋おばんざい鮮魚鉢屋を会場として美味しい料理を食べながら、講演会講師の菅井さんにも参加していただき、大盛況の懇親会となりました。
【2024年度】
・2024年12月14日(土) -15日(日)「 中国四国支部 との交流懇親会および 見学会」
概要:14日、見学会1:下瀬美術館(広島県大竹市)、交流懇親会:居酒屋かめ福(広島市内)、15日、見学会2:尾道市内
今年度の見学会は、広島方面へ遠征して実施しました。中井支部長の発案で、他支部との交流も兼ねて見学会と懇親会を開催しようということになり、中国四国支部の皆様、特に同支部長の谷川先生にご尽力いただき実現することができました。
初日は、見学会1として坂茂氏の設計により建てられ2023年に開館した下瀬美術館を訪れました。施設全体は美術館棟の他に、高級な宿泊施設棟、レストラン棟が併設され、美しい瀬戸内海と宮島を望む埋立地にあります。見学に訪れる直前には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)によるベルサイユ賞の「世界で最も美しい美術館」に選出されたとの報道もあり、8つのカラフルな可動展示棟が印象的な建築で、美しい景観に調和し、しかも動かすことのできる建築の見学をとても楽しみにしていました。今回は、特別に学芸員の方に建築・インテリアの解説もお願いしていましたが、とても詳しくご説明いただき参加者一同、大満足の見学会となりました。
夜には、中国四国支部の皆様にもご参加いただき、「中国四国支部・東海支部、交流懇親会」を開催いたしました。通常、他支部の方々とはなかなか交流する機会がありません。今回は「こちらから押しかけて交流しよう」とのコンセプトで企画したものの、交流が実現するか不安でした。しかし、谷川・中井両支部長によって有意義な会が実現されました。
2日目は、尾道へ移動し再び谷川中国四国支部長のご尽力により、見学会2が開催されました。ONOMICHI U2(設計:SUPPOSE DESIGN OFFICE)、北村洋品店/三軒家アパートメント/尾道ガウディ・ハウス(設計:空き家再生プロジェクト)、尾道商店街、志賀直哉旧居、LOG(設計:アトリエ・ムンバイ)など、盛りだくさんの建築・インテリアを見学しました。
東海支部では引き続き、他支部との交流企画を開催したいと考えています。支部HP等にて案内いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております。(文責:清水)
・2024年7月6日(土) 支部総会、講演会、研究交流懇親会
会場:名古屋工業大学 1号館 1階 0111講義室
日程:
15時- 支部総会
16時- 講演会 「内装・外装・インテリア~建物の設計を通じて~」
講師:鈴木 浩 氏(久米設計中部支社設計本部シニアエキスパート)
18時- 研究交流懇親会 会場:cafe sala(名工大内)、会費:6,000円
今年度の支部総会を上記日程で予定通り開催しました。中井支部長の挨拶から開始され、昨年度の事業報告、会計報告、今年度の事業計画・収支予算、混乱もなくスムーズに承認されました。今後とも、東海支部をよろしくお願いいたします。
総会後、支部講演会を開催しました。今年度は、久米設計中部支社設計本部シニアエキスパートの鈴木浩氏を講師に迎え、「内装・外装・インテリア~建物の設計を通じて~」と題してご講演いただきました。
ラーメン好きであるとの自己紹介からスタートされた講演会は、鈴木さんと中井支部長が大学・大学院時代、同じ研究室に在籍した先輩後輩の間柄であるとのこともあり、終始和やかな雰囲気で進み、また普通では聞けない裏話まで様々なことを教えていただける、とても楽しく、勉強になるご講演でした。
市役所、図書館、学校など、これまで関わられた数多くの仕事の半数以上がプロポーザルで勝ち取ったプロジェクトとのことで、「仕事は当選からはじまる」「勝たないと仕事につながらない」とのお言葉がとても印象的でした。
今回、インテリア学会での講演ということに配慮したお話もしていただきました。身の回りのインテリアの事例として、ご自身の行きつけの喫茶店、ご自宅、少し変わった空間、投影された様々なインテリアの写真をとても興味深く拝見しました。
そして、これまでのプロポーザルでの提案書、そこまでに至る経緯などもご説明いただきました。設計における一連のカラースキーム(内装、外装)、外装から内装へと繋がるコンセプト、顧客に刺さるコンセプトの重要性、そしてこれらをまとめた提案書の作り方、昨今の変化を踏まえたプレゼンの仕方の現状についてのお話は、ここまで話していただいて良いんですかと思ってしまうほどの、詳しく、とてもためになる、貴重な内容でした。
講演会には、支部会員の実務者に加えて学生さんも多数参加していましたが、全員の今後に役立つ講演会でした。ご講演後の質疑応答もとても活発で大いに盛り上がり終演となりました。
講演会後には恒例の研究交流懇親会を開催しました。会場も昨年と同じ、名古屋工業大学のキャンパスで最も古い建物の校友会館内にあるCafé Salaで行い、学生さんにも参加していただき、大盛況の懇親会となりました。(文責:清水)
【2023年度】
・2023年7月8日(土) 支部総会、講演会、研究交流懇親会
会場:名古屋工業大学 24号館2階2421室
日程:
15時- 支部総会
16時- 講演会 「のために」 講師:若林 亮 氏(日建設計デザインフェロー)
18時- 研究交流懇親会 会場:cafe sala(名工大内)、会費:6,000円
支部総会を上記日程で予定通り開催しました。今年度は支部長改選の年でしたが、総会ではまず2月に実施された支部長選挙の結果が報告され、中井支部長の令和5年度から7年度までの支部長再任が決まりました。続いて、昨年度の事業報告、会計報告、今年度の事業計画・収支予算、そして新たな役員について、混乱もなくスムーズに承認されました。今後とも、東海支部をよろしくお願いいたします。
総会後、支部講演会を開催しました。今年度は、日建設計デザインフェローの若林亮氏を講師に迎え、「のために」と題してご講演いただきました。
若林さんは、クライアントのために、街のために、社会のために、と常に考えて設計されているとのことで、これまで関わられた数多くプロジェクトの中から、「掛川市庁舎」(1996年竣工/1997年建築業協会賞、1998年日本建築学会作品選奨、2000年公共建築賞/最優秀賞建設大臣表彰、「瀬戸市立品野台小学校」(1999年竣工/2001年建築と社会賞、2005年JIA環境建築賞/優秀賞)、「鈴鹿市立旭が丘小学校」(2007年竣工/2008年公立学校優良施設表彰文教施設協会賞)、「真宗教化センターしんらん交流館」(2015年竣工/2016年 International Design Awards/Bronze、2016年インテリアプランニングアワード入選、2017年京都建築賞入選)などについて、こどもたちのために最大限に自然光を活かした明るくオープンな校舎、真に市民のために開かれた庁舎、様々な利用者のために交流の拠点として作られた施設、それぞれについてどのようなことを考えて設計されたのか詳しく教えていただきました。
設計当初の美しくも分かりやすい手書きスケッチを見せていただいたこと、緻密に寸法計画された階段・手すりと照明器具の納まりの話など、とても興味深くて勉強になる充実した講演内容は、参加者のためにそしてなにより聴講していた学生の皆さんのためになる講演会でした。講演後には学生諸君からの質問もあり活発な質疑応答となりました。
講演会後には、2019年6月以来4年ぶりに研究交流懇親会を開催することができました。会場は、名古屋工業大学のキャンパスで最も古い昭和7年の建物、校友会館内にあるCafé Sala。豊かな空間でおいしい食事を囲み、久しぶりまたは初めてお会いする参加者同士、対面での交流の素晴らしさを実感する大盛況の懇親会となりました。(文責:清水)